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留学で得られた、かけがえのないもの

留学で得られた、かけがえのないもの

新しい土地で、新しい関係を築いていくことは、幾つになっても大変なことです。

増して、第一言語では無い国で1人でスタートするには、それなりの忍耐力も必要なのかなと思います。

私の海外生活は、オーストラリアでスタートしました。

初めての海外生活なのでホームステイを契約し、更に着いて直ぐに学校生活が始まったことで、常に人と一緒にいる生活でした。

目に映るもの全てが新しくて刺激的で楽しい反面、語学にはかなりの苦労をし、1番最初に受けたサイの生態に関する授業では、何の話をしているのかサッパリでした。

それでも、励まし合えるクラスメイト、ユーモア溢れる先生、ホストファミリーとの出会いが、毎日の生活を支えてくれていました。

オーストラリアを去り、1人旅で何か国かを転々と訪れながら日本に帰国しました。

その後、半年もしないうちにカナダへの飛び立ちました。

カナダに入国したのは、12月。

カナダ人でさえも寒さ、天気の悪さに気持ちが下がってしまう人もいるようで、当時の私は独りぼっちで気持ち的に少し参っていました。

温暖なオーストラリア、陽気な人々、青々とした空とビーチ、大好きな友人たち。

楽しい時間を過ごした直後だったので、どうしてオーストラリアに戻らなかったのだろう、今からでも戻れるのかな、と帰ることばかりを考えていました。

しかし、折角のクリスマスシーズン。

この後居住地を変える予定でいたので、こんなチャンスもう二度と無い、思いっきり楽しまないと奮い立たせ、惜しみなく観光地に日々出掛けました。

大きな本物のモミの木のクリスマスツリー、どこまでも終わりの無い広々とした公園。

街中のクリスマスイルミネーション、あちこちのクリスマスイベントを堪能しました。

仕事を始めると、ゆっくりと遊ぶ時間が取れなくなったので、本当に良い時間を過ごしたと思っています。

出掛けている間は勿論楽しい時間でした。

しかし、年越しは1人寂しくするんだなぁとしんみりとしていました。

すると、オーストラリアで出会った友人カップルから急に電話が掛かってきたのです。

嬉しくて、涙が溢れました。

彼らは私がオーストラリアを去る時に空港まで来てくれ、更に彼らの国を訪問した際は、家族で歓迎してくれて家に泊めてくれました。

私が永住権を取得した際も、真っ先に連絡をしてくれて、本当に素敵なお友達です。

とても失礼な話、初めて彼らの出身地を聞いた時、私は国が何処にあるのか、どんな国なのかも知りませんでした。

正直、友人だけに限らず、世界には私の知らない国がいっぱいあることに驚きました。

授業のテーマや、普段の会話でも、世界中の様々な国や人種、それぞれが抱える問題等を知ることになり、沢山考えさせられました。

日本を出なかったら、考えることの無かったであろう、他国の状況や考え方。

海外に出て多くの人が言うように、私も視野が広がり、考え方も変わったと思います。

また、友人との出会いと、彼らがいなければ出来なかった経験は間違えなく私の人生を豊かにしてくれています。

落ち込んでいる私を励ましてくれ、何でオーストラリアに戻って来なかったんだと、惜しんでくれました。

彼らとの電話の後、少し勇気が出ました。

海外に出て得られた異なった考え方だったり、人との出会いは、私にとってかけがえのないものです。

勿論良いことばかりではありませんが、渡航を決めたととは、間違えなく私の人生にプラスになっていると思っています。

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